浅田真央 スケートカナダ07 フリー

2007年ISUグランプリシリーズ第2戦、カナダのケベック(Quebec City)で開催されたスケートカナダ(HomeSense Skate Canada International)、浅田真央のフリースケーティング演技の映像です。

Date:2007年11月03日
曲名: フレデリック・ショパン  「幻想即興曲」 Louise-Andr?e Baril & Th?r?se Motard - Chopin: Sonate, Polonaise brillante, Fantaisie-Impromptu, Nocturnes, Valse - Impromptu for Piano No. 4 in C-Sharp Minor, B 87, Op. 66 - "Fantaisie-Impromptu" (Fantaisie-Impromptu in C-sharp minor, op.66 by Frederic Chopin performed by Louise-Andr���e Baril)
技術点:61.74
構成点:57.84
合計:119.58

女子シングル・フリー得点詳細(英語)
女子シングル・フリージャッジスコア(英語)
女子シングル総合結果(英語)

Sonate, Polonaise brillante, Fantaisie-Impromptu, Nocturnes, Valse



(アメリカ英語)

(アメリカ英語)

(カナダ英語)

カナダ英語

解説:S=スコット・ラッセル(Scott Russell)、T=トレイシー・ウィルソン(Tracy Wilson)

S: マオ・アサダは彼女(中野選手)の年下の、そして非常に才能のあるチームメイトです。3月に東京で開催された世界選手権の銀メダリスト、名古屋出身の17 歳です。(世界選手権は)優勝したミキ・アンドウとの接戦でした。そしてマオは苦戦したショートプログラムを(フリーで)挽回しなければなりません。けれど過去に成し遂げたことがあります。

T: マオは3Aを試みる予定ですが、6分間練習の時はやっていませんでした。この試合で跳んだら驚いちゃうわね。やるでしょうか?見てみましょう。ここですよ―ダブル!氷の上を流れるように滑っていくのを見て下さい。

T: ここは3回転-3回転のコンビネーションが予定されています。非常に難しい3Fから3Loへ!Yes!

S: 先に見たシンシア・ファヌフと比較して、マオも身体的にかなり成長しましたが、トレイシー、彼女はどのジャンプも失ってはいませんね。

T: 3Lzへのステップ。きれいな軽いジャンプ、美しく空中へ跳び上がり、やわらかな着氷です。このプログラムはカナダ人のローリー・ニコルによって振り付けされましたが、マオの最高の才能を引き出していると思います。やわらかで軽い膝、氷の上の繊細な動き…そしてスパイラルのポジション。

S: 日本では随行者(取材の報道陣)がたくさんいまして、遠征先にもついてきています。マオ・アサダの前進を追おうと日本からテレビ関係者が33名も来ています。そして彼女は注目の中で大活躍しています。(rebels in theattention. これはどう訳したらいいのかあまり自信ありません。文脈を考えてものすごい意訳をしたので間違えてる可能性大です…)

T: 最後のトリプルです…3F、2Lo。

T: きれいな連続技です。2Aと連続の2Lo。

T: 17歳で、先ほど話が出たように、彼女はメディアに注目されるのが好きだと言います。12歳の時からメディアが彼女を追っているので慣れているのだそうです。その(12歳の)時に3回転-3回転と3Aを跳び始めたのよね。天才です。

T: このステップシークエンスを表現するのに彼女がどのように膝と全身の動きを使っているかご覧下さい。

S: 間近で直接マオ・アサダを見られるのはカナダ人にとっては貴重な経験でしたね。しかもほぼ完璧な演技の時にです。

T: 技術面ではミスがなく、正確。情緒面では最後まで抑制されていましたね。ここで少しゆっくりになりますが、2度目の3回転がきちんと回っていたか確認しましょう。DGされるかもしれませんが、ジャンプ、振り付け、スピン、どれも複雑なプログラムでした。最後は素晴らしい表情をしていますね。

S: 日本のマオ・アサダでした。次はアメリカのエミリー・ヒューズです。

<キスクラ>

S: マオ・アサダとコーチのラファエル・アルトゥニアンです。彼らはカリフォルニア州のレイクアローヘッドでトレーニングしています。同じ日本のチームメイト、ユカリ・ナカノを越して首位に立つには111.35が必要です。ところで、アサダのフリーでの自己ベストは133.13です。技術点、61.74。トレイシー、順調に行っているようですね。

T: そうですね、けれどもちろん最高の演技ではありません。3Aがありませんでしたし、3回転-3回転のコンビネーションは3回転-2回転にDGされてしまいました。

S: 119.58でナカノを抑えて楽々首位に立ちました。あと2人を残してここ、スケートカナダでは177.66が新しい基準となります。

<インタビュー>

Brenda Irving (以下B)、通訳 Sachiさん(以下S)、ラファエル・アルトゥニアン(以下R)

B: マオ・アサダは世界選手権でもやりましたし、ここ、スケートカナダでもやり遂げました。つまり、苦戦したショートプログラムから立ち直って見事なフリープログラムを披露したのです。ではまず、彼女のコーチと話をしてみましょう。ラファエル、先ほどホールであなたは「君がベストだ。君が女王だ。昨日のことは忘れるんだ」と言っていましたが…。

R: いいえ…

B: ここにはいたるところに盗み聞きマシンがあるのよ。フリーの前に彼女に自信を与えるのはあなたにとってどれほど重要なことだったのですか?

R: いえ、違うんです。私が言いたかったのは自信を持たせることではないんです。私は彼女がうまくできることを知っていますし、やり遂げることができること、レベルが高いことを知っています。そして君のスケーティングは素晴らしい。これが私が彼女に伝えたことです。それだけです。驚くべきことは何もありません。

B: そして通訳のサチを通して彼女(浅田選手)に、どのように困難を克服して今日の見事なフリーを演じることができたのか聞いてみましょう。サチ?

S:(浅田選手に日本語で)昨日は3位という不本意なポジションからで、またワールドの時もショートをミスしてしまって、それからまた今回も挽回でフリーがうまくできたんですけど、いつもどうやってフリーの時にうまく滑れるように気持ちを立て直してるんですか?

Mao: (日本語で)やっぱりショートがだめだとフリーでもっと頑張ろうと思うのもひとつなんですけど、でもやっぱり両方良くないといけないのでこれからはしっかりふたついい風にしたいと思います。

S: (通訳さん英訳)ショートでミスをしたら、なるべく忘れるようにしています…けれど両方ともいい結果が残せるように頑張ります。これからはミスをしないようにしたいと思います。

B: マオ、ラファエル、おめでとうございます。

カナダCBCで放送された解説の和訳はみつば様にご協力してもらいました。


(アメリカ英語 ESPN)

Terry Gannon(以下 T), Susie Wynne(以下S), Paul Wylie(以下P), Peter Curruthers(以下P.C)

T: 会場ではマオ・アサダが準備をしています。彼女がショートプログラムの後で首位ではなく、3位となったのはささやかな不正エッジ踏み切りでの減点があったからです。見てみましょう。

<浅田選手の3Lz踏み切り映像>

P: 3Lzはアウトサイドエッジでの踏み切りを求められていますが、マオはインサイドエッジで踏み切りをしています。これは「フラッツ」とも呼ばれています。4人のジャッジがこれにほぼ転倒と同等のマイナス3点をつけました。

T

: さて、FPに臨むにあたってこのことは念頭にあるでしょうか?修正はするのでしょうか?バックステージにいるピーター・カルーザスが取材をしています。

P.C.: マオ・アサダのコーチ、ラファエル・アルトゥニアンに確認したのですが、彼はマオ・アサダに3Lzの踏み切り修正を指導していないと言っていました。第一に彼はルールが不公平だと言い、第二にシーズン中のこの遅い時期だと踏み切ったとしても空中でバランスを崩して転倒する可能性があると言っていました。そしてそれは今現在の状態よりも悪い結果になりうるでしょう。なので現時点では何もかも同じままです。マオ・アサダはこれまでどおり、いつもやっていたのと同じように3Lzを跳ぶでしょう。

T: ありがとう、ピーター。スージー、君はラファエル・アルトゥニアンに賛成する?

(こちらの動画の解説は以下から始まっています)

S: そうですね、コーチの立場からするとこのタイプの技術を変更するのは難しいことです。けれどISUが(ルール)変更を明確にするということを知った以上、夏の間に時間をうまく使って修正をするか、もしくは他の部分でポイントを稼ぐ方法を考えなければなりません。(マオとラファエルは)既にそうしていると思います。

P: 彼女は3Aを跳ぶことができます。もしやるとしたらここなのですが、ダブルを選択しました。手堅く行くことにしたようです。

T: 彼女は同一プログラムの中で3Aを二回跳んだ最初の女性です。2006年の全日本選手権の時ですね。

P: 彼女は非常に才能のあるジャンパーです。ここで3回転-3回転のコンビネーション。3Fから3Loへ。少し回転不足ですね。フルの点数はもらえませんが、それでもすごいジャンプです。

T: マオと彼女の姉のマイはカリフォルニア州、レイクアローヘッドに拠点を置いているのですが、そこはカリフォルニアの最近の山火事でもっとも甚大な被害が出た地域の一つです。荷物をまとめて逃げ出すのに30分くらいしかなかったそうで、しばらく2時間ほど離れたL.A.で練習をしないといけなかったんです。

P: 今回の競技に参加しているジェフリー・バトルも電話でどうなっているのか確認したそうですよ。

S: スパイラルシークエンスの美しいストレッチ。足が頭のずっと上の方まで上がっていますね。そしてやわらかな腕の動きも細部まで注意が払われています。ルールの事なんか忘れて彼女の才能を楽しみたいと思うのはこういう時よね。

P: ここはとても難しいステップシークエンスですよ。多様なステップを披露しています。ローリー・ニコルがこのプログラムの振り付けをしました。彼女がまだ 17歳だなんて信じられないね。彼女は成熟さと素晴らしい身のこなしでスケートをするし、スージー君が言ったように、本当にたくさんのことができるね。

S: そしてとても静かなのよね。ブレードが動いている音が聞こえないのよ。

<演技終了>

P: あの笑顔が全てを物語っているね。これをやり遂げたことが本当に嬉しいんだよ。ショートで起こったことで***(音声が飛んでいて不明)と思います。世界でも最高のジャンパーの一人なので驚きでした。3F-3Loは先ほど言ったように、3Fは美しいけれど、3Loで少し回転不足ですね。これはDGされるでしょう。これが2回目の3F、それから2Loへ。皮肉なことにこの二つのジャンプは同じように評価されてしまうでしょう。

S: そうね。

T: スージーが静けさを指摘したのは興味深いですね。静けさというのはコメントでは良い観点となります(ここの訳は怪しさ満点です。And silence can be a very good thesis(??) on commentaryと聞こえますがよくわかりませんでした)けれど彼女が滑っている時はブレードの音がほとんど聞こえないんですよ、スージー。

S: 膝と足首の屈曲がとても自然なのね。それに氷の上では本当にやわらかで自然なの。そしてほとんどのスケーターはこの静けさを持っていないのよ。

T: グランプリシリーズではまだ3シーズン目です。信じられない。この点数を見てください。フリーの得点は119.58。総合では177.66、現時点で首位です。マオ・アサダはグランプリシリーズでは表彰台を逃したことは一度もありません。すごい!

アメリカESPNで放送された解説の和訳はみつば様にご協力してもらいました。カナダとアメリカで放送された英語解説の翻訳にご協力してくださったみつば様には感謝です。

(日本語)

(カナダ英語)

(解説なし)

(解説なし)