宇野昌磨・本田真凜個別インタビュー アイスダンスで五輪を目指す二人が語った「一人じゃない」挑戦

宇野昌磨と本田真凜が、アイスダンスで五輪を目指す挑戦について、中日新聞の個別インタビューで語りました。お互いのスケートへのリスペクト、二人で滑る楽しさ、体格差のないカップルとしての可能性、そして競技へ向かう覚悟が伝わる内容です。

出典:中日新聞

動画の主な内容

  • 00:00 相手の良さを引き出したいという思い
  • 01:43 二人で滑っていて楽しい瞬間
  • 04:11 カップル競技としての信頼関係と約束事
  • 07:32 体格差のないカップルとしての武器
  • 10:05 お互いの良さを言い合うことはあるのか

要点まとめ

宇野昌磨さんは、アイスダンスでは「お互いが引き出し合うこと」が良い作品を作る一番の近道だと語りました。本田真凜さんも、一人で滑るより難しくなるのではなく、お互いの良さをさらに良くしていける滑りを目指したいと話しています。

二人で滑る楽しさについては、宇野さんが「できなかったことができるようになった瞬間」を挙げ、本田さんはリフトなど新しい技に取り組む中で、お互いの工夫や成長を共有できることの大きさを語りました。

また、体格差のないカップルとして、自分たちに合うリフトや組み方を探していること、本田さんが「好きなものより嫌いなものが一緒」と表現した感性の一致も印象的です。

00:00
質問

お二人がまた競技の表舞台に戻って来られるということで、多くの方が喜びやワクワクを感じていると思います。

先ほどの会見を聞いていても、お互いをすごくリスペクトされていて、お互いのスケートがとても好きだということが伝わってきました。

競技をやっていく上で、相手の良さを引き出したいとか、引き出せる自信というのは、お二人とも持っていらっしゃるのでしょうか。

宇野昌磨:引き出したいっていう思いは、本当にあります。

お互いが引き出し合うっていうことが、僕たちが一番うまく見せるというか、いい作品を作る一番の近道だと思うので。

今は、二人の力を合わせて100%出せるように積み重ねている最中です。それが、自分たちの実力としてはっきり表現できるようになったら、本当にすごく素晴らしいものになると僕は思っています。

本田真凜:そうですね。

会見でもお互いに伝えていたと思うんですけど、お互いのスケートの強みだったり良さっていうものを、アイスダンスで二人で滑るからといって、一人で滑るより難しくなってしまうんじゃなくて、どんどん良くしていけるような滑りを目指していきたいなという気持ちです。

01:43
質問

今、二人で滑っていて「楽しいな」と感じる瞬間って、どういうところですか。

宇野昌磨:僕は、できなかったことが少しでもできるようになった瞬間ですね。

最初は本当に、リフトとかも「これ本当にできるのかな」っていうぐらい難しいんですけど、それを1週間、1か月って毎日積み重ねていくと、逆に「なんでできなかったんだろう」まではいかないんですけど、それぐらいスムーズになったりするんです。

それを感じると、すごく「人間ってすごいな」って思うので、そこはすごく面白いなと思います。

本田真凜:特にリフトの部分では、やっぱり今までに経験したことのない新しい、大きな部分かなと思うので、上で持ち上げられている時でも、日々筋肉がついていくのだったりとか、お互いにいろんなコツをつかんでいくのを実感できるんです。

だから、「今日はここが良くなったな」ってお互いに思えるのは、やっぱり楽しさの一つかなと思います。

それと、この技に向けてお互いが何を練習しているのかとか、何を工夫しているのかっていうことが全部分かるので、「一人じゃない」っていうところはやっぱりすごく大きいです。

私たちはこの1年半、他の仕事もいろいろしてきた中で練習時間を確保してきたので、本当に寝ずに、深夜3時4時とかになった時でも、「辛いな」って思うことよりも、「一度シングルのキャリアを終えた二人が、またこうやって夢に向かって歩んでるのがかっこいいな」と思いながらやれていました。

そういうのを二人で共有しながらできたりとか、発表までにもすごく長い時間があったので、「私たちは知っている」っていう感じで過ごしてきたんです。

だから、これを発表できる時には、アイスダンスとしてプログラムを作っていたり、「楽しみ」「見たかった」って言っていただけるような状態で発表したいなっていうのも目標の一つではあったので、今日こうして迎えることができたのは、私たちにとって大きな一歩、スタートを切れたんじゃないかなっていう気持ちです。

04:11
質問

お二人で歩んでいく中で、やっぱりカップル競技なので、もともとお互いをよく知っているとは思うんですけれども、もっと信頼感だったりとか、そういうものを作り上げていくことも必要なのかなと思います。

これまで二人でやってくる中で、何か約束事みたいなものはあるんですか。例えば、喧嘩はその日のうちに解決するとか。

宇野昌磨:そうですね。

僕たちがアイスダンスをやっていく上で、決まり事というか、今はもうがむしゃらに、目の前の目標に向かって二人で練習を積み重ねるっていう感じです。

アイスダンスをやるからっていうので、何か大きな変化があるというか、もちろんこの挑戦っていうのはすごく大きな挑戦ではあるんですけど、ただ、今までシングルでやってきたことや、引退してからもショーに向けて結構朝夜と練習していたので、僕たちにとってはそんなに大きな変化がないんです。

アイスダンスっていうのも、だいぶ前から始めているので、多分皆さんからすると、今日この日をもって大きく変化する、っていうイメージだと思うんですけど、割と僕たちはずっとこういう生活をしているので、あんまり大きな変化がないというか。

ただ、僕たちが競技に向けて歩んでいく決意を、今日やっと皆さんにお話しできたっていう感じです。

もちろん、これからやっていく中で、新しい発見だったり、「こういう練習をしていくのがいいよね」みたいなことを見つけていくと思うので、今も練習していく中で、そういうことをどんどん見つけていっています。

本田真凜:そうですね。

この1年半の中で、いろんな方々に教えていただいたりとか、もちろんカナダでもたくさんの先生やいろんな方々に教えていただく中で、それぞれの方でやっぱり教え方って全く違うんです。

例えば、今年の課題のゴールデンワルツ一つ取ったとしても、教え方が全く違うのを改めて実感するようなスポーツでもありました。

その中で、私たちはお互いの体格差がないっていうのも、たぶんアイスダンスでは珍しいのかなと思うので、逆にそれを生かせるような組み方だったり、リフトだったり、そういうものを自分たちで日頃から探していっています。

「これはどうかな」って試して、私は「これやってみたい」と思うので、「じゃあ明日の練習までに3つやりたいことを見つけてこよう」とか、「映像を画面録画してこよう」みたいにしてトライしてみるんです。

そうすると、簡単な技でも体格差がない分すごく苦労することだったり、一見難しそうに見える技でも、すっとできたりとか、そういうものが結構多いので、今後も私たちに合った、オリジナリティのある技だったり、そういうものに挑戦していく日々なのかなというところです。

07:32
質問

今お話にもありましたけれども、体格差のないカップルって世界的にもすごく珍しいという中で、見つけていきたいお二人ならではの武器というものが、今もう見えているのか、それともこれからいろんなものを探していく段階なのか、どうですか。

宇野昌磨:シングルでかなり長く滑ってきて、見せるっていうことに関しては、お互いすごく武器があると思うので、新たな武器を、っていうのは僕はあんまり考えてなくて。

もちろんリフトとか、そういったものに関しては他と違うものをやりたいっていうのはあるんですけど、スケートという、この二人の作る作品としては、新たな武器というよりも、本当に僕たちの良さを出すっていうのが、間違いなくそれが武器になって、それが結果にも絶対つながるだろうし、僕はそれを絶対に思っているので、そこを新たに探す必要はないのかなとも思っています。

本田真凜:そうですね。

私はどちらかというと、できること・できないことの見極めっていうのが、この限られた年数の中で大事なのかなと思っています。

私たちは10年20年と幼少期から組んできたわけじゃないので、その中で何が自分たちの体に合っているのか、そして今まで皆さんがやられていたものというよりも、私たちだからこそできるもの、みたいなものを、特にリフトとかでは必要になってくるんじゃないかなって、戦う上では思います。

10:05
質問

お互いのいいところって、言い合ったりとかするんですか。

宇野昌磨:改まって言うっていうのはないんですけど、僕はすごくお互いを理解しているので、その動きすごくいいんだけど、どうやってるの、みたいなのは結構多いです。

聞かれた側は、説明することで「あ、無意識だけどこうやってたんだ」と気づけたりするし、聞く側も学べるので。

特に真凜に関しては、何をやってもいい、天才、っていう簡単な言葉で片付けるんじゃなくて、よく深掘った方がいいなってすごく感じました。

小さい頃からの積み重ねで、こういうことができるようになっていたんだっていうのを、すごく強く感じたので。

だから、お互いのいいところを褒め合うっていうよりも、いいところだからこそ「どうして?」って聞く、そういうのはすごくあるなと思います。

本田真凜:学び合う、という感じですね。

その癖だったり、リズムの取り方とか、そういうものはもちろん各自、シングルをやってきたのであるんですけど、そこを合わせることは難しいんです。

でも、「いいよね」って思うものと、「これはあんまりだよね」って思うものの感性が同じというか、そこは本当に実感します。

演技を見て「これいいよね」っていう時と、「これはあんまりだよね」っていうのが本当に完全に一致するので。

それはスケートに限らずなんですけど、好きなものというよりも、嫌いなものが一緒、みたいな。

嫌いなもの、嫌いなことが一緒っていうところが結構ありがたいところで、練習を進めていく上でも、「そうだよね、そうだよね」って進むので、ありがたいですね。

まとめ

この個別インタビューでは、宇野昌磨さんと本田真凜さんが、アイスダンスに挑む上で大切にしている「二人で滑る意味」がよく伝わってきます。

宇野さんは、お互いの良さを引き出し合うことが良い作品につながると語り、本田さんは、一人ではなく二人で夢に向かって歩んでいることの大きさを話しました。

体格差のないカップルとして、自分たちに合うリフトや表現を探しながら、二人ならではのアイスダンスを作っていく。その過程そのものが、すでに新しい挑戦の大きな見どころになっているように感じます。