
宇野昌磨独占インタビュー「アイスダンスに期待してほしい」Ice Braveで変わった自分とTurning Seasonへの思い
宇野昌磨さんが、Sports Graphic Numberの独占インタビューで、Ice Brave第3弾「Turning Season」への思いや、アイスダンスへの挑戦を通じて変化した自身のスケート観について語りました。競技時代の「悪く見せない」表現から、ショーで観客に向けて「よく見せる」表現へ。プロデュースする立場としての考え方、演者としての成長、そしてアイスダンスへの強い期待が伝わる内容です。
動画の主な内容
- 00:21 Ice Brave のプログラムの進捗度度は?
- 01:18 リクエスト曲の募集について
- 03:44 普段の生活の中で参考にしていることは?
- 05:22 メンバーごとの演出は?
- 06:13 自分の成長を感じることは?
- 06:46 技術的な成長は?
- 08:18 変化の切っ掛けは?
- 09:32 ポジティブなアプローチ
- 12:36 アイスダンスの技術力は?
- 16:28 演出家としてどんな演出をしたい?
- 18:15 Ice Brave -A TURNING SEASON-どんなアイスショーにしたい?
要点まとめ
宇野昌磨さんは、Ice Brave第3弾「Turning Season」のプログラム進捗について、お披露目を100とするなら「10くらい」と表現。まだ曲や構成、誰がどこで滑るかを決めている段階で、全体をパズルのように組み立てていると語りました。
SNSで募ったリクエスト曲については、単に要望に応えるためではなく、ファンが何を見たいと思っているのかを知るためだったと説明。ファンとの距離を近づけすぎるのではなく、ショーの瞬間を「プレミア」に感じてもらうための距離感も大切にしていると話しています。
また、アイスダンスを見るようになったことで、演目がなぜその人に合うのか、苦手な部分がどう見えるのか、楽曲を好きで使っているのか得意だから使っているのか、といった視点でスケートを見るようになったと語りました。
特に印象的なのは、競技時代は「悪く見せない」ことを意識していた一方で、今は「よく見せる」ことに変わったという言葉です。点数を取るための競技から、観客に楽しんでもらうアイスショーへ。宇野さん自身の表現や意識の変化がよく伝わるインタビューです。
一番気になるプログラムは、今どれくらいの進捗度まで来ているんでしょうか。
宇野昌磨:お披露目する状態を100だとしたら、10くらいですかね。
10というか、振り付けの進行で言ったら0ですけど。
まだ今はドリームキャストじゃなくて、リストを決めたり、曲を決めたり、誰がどこで滑るかとか、やっぱり人数が少ないので、着替えの時間とかそういうのもいろいろあるので、本当にパズルのように、僕じゃないんですけど、やってくれてます。
僕はその上で、「この人にはこれが似合う」とか、表情でどういうものを自分が滑りたいか、どんなものを滑らせたいか、そういう思いを話し合いながら決めている感じです。
リクエスト曲をSNSで募っていたと思うんですけれど、これはどれくらいの応募が来たんですか。
宇野昌磨:1200ぐらいだったと思います。
アンケートって、みんなの思いとか、その曲を使う・使わないじゃなくて、「意外とこういう曲を見たいって思ってるんだ」っていう、そういう思いを知りたくて。
別に曲を絶対その中から選ぼうとか、使いますとかではなくて、みんながどういう位置づけなのかなって。
これはIce Braveに関してだけじゃないんですけど、例えば「僕にどんなキャラのイメージをしていますか」とか、そういうのを人それぞれ見るのが、聞くのが好きで。
そういう人たちのいろんな意見を聞くと、何かを作るってなった時にすごく参考になりやすいというか。
僕は昌磨をずっとやってるので、自分のキャラとか、自分はこういう思いでしゃべってるけど、どう伝わってるかは分からないし、ずっとスケートやってるから自分のスケートは別に見たくはないし。
でも中には「これはやりたい」っていうのもあるし、でもその思いって絶対に誰とも共有できない価値観だからこそ、みんなの思いが聞けたらいいなっていう思いでした。
やっぱりプロデュースする立場として、特別感ってすごく大事だと思っていて。
たまに会えるから、その1回会えたことにうれしさがあるというか。
だからアンケートの時って、そのまんま言われたものを「要望にお応えしてこれをやります」ってやりすぎるのは、僕はあんまり良くないと思ってるんです。
なんかすごく距離感が近くなりすぎてしまうというか。
やっぱりある程度、皆さんの思いをくんだ上でいろいろ作ったりはするんですけど、ショーも皆さんになるべく距離が近いところまで、物理的にも行きたいし、気持ち的にもみんなと共有したいっていう思いはあるんですけど、やっぱりショーを僕たちは見せる側であるし、そのイベントを作ってる側なので、やっぱりその瞬間っていうのをすごくプレミアに感じてほしい。
そういった案配も、うまくいろいろ考えています。
皆さんのリクエスト以外で、普段の私生活の中で自分で音楽を聴いたりとか、何か参考にするものってありますか。
宇野昌磨:本当にスケートを見るようになったっていうのはあります。
特にアイスダンスとか、そういったものはよく見るようになって、どういう人に、なんでこの演目が合うのかとか、逆にその曲とは関係なしに、どういう部分がこの人は苦手にしているのかとか、なんで苦手そうに見えるのかとか。
あとは、その人がその楽曲が好きで使ってるのか、得意で使ってるのかとか、そういうのは結構考えるようになりました。
僕がやっぱり好きって思うのは、美しくて綺麗で芸術的なスケートというよりも、その場が楽しいって燃えるものなんです。
だから僕はIce Braveにそういった要素を取り入れたいっていうのはあって。
それは競技の時からもちょっと近いものがあって、ずっと思ったことをしゃべって、思ったままに感情を爆発させて、その思いで世界と戦ってきた、みたいな感じでやってきたので。
その延長線上じゃないですけど、このIce Braveっていうイベントも、その気持ちっていう部分がすごく全面的に、いい方向に活用できるものにしたいなっていうのは、1の前から思っていました。
そういう中では、今回、自分のアイデアで「この人にこうしてほしい」みたいな、具体的に出てきてるものはあるんですか。
宇野昌磨:このメンバーで長くずっと続いていけたらいいなって思ってるので、やっぱりそのメンバーに、得意なものはもちろん磨いてほしいんですけど、この人数でやっていくとなると、得意なものだけやってると、そんなに長くは続かないので。
やっぱり、うまくなってもらいたいっていう思いとか、いろんなことをできるようになってもらいたいっていう思いもあります。
そういったことも模索していますし、僕自身もやっぱり得意なもの、苦手なものがだいぶ極端に分かれているので、僕も一緒にうまくなるつもりで、一緒に頑張っていけたらいいなっていうのは思っています。
自分の成長みたいなものはいかがですか。
宇野昌磨:そういうのはすごい感じます。
僕が一番このIce Braveで成長していて、人としてというか、今まで競技しかやってこなかったので、本当に人と関わることもなかったし。
だから、いろんな経験をさせていただいて、絶対にみんな以上に、人として少ししっかりしたなっていう気はします。
技術的には、どう変化した部分ってありますか。
宇野昌磨:ジャンプはマジでやらなくなりました。
もう、ジャンプ本当にやらなくなったんですけど、現役の時苦戦していたアクセルが急にできるようになったりして。
毎日追われるように練習したジャンプ、それがあったからだとは思うんですけど、「こんなにやらなくても、こんなにできるんだ」って思いました。
本当にショーの時しかジャンプやってないんですけど、すごいできるし。
アクセルの時もそうだったんですけど、1回引いてみるって大事だなとは思うし、ジャンプ以外で言うと、人に見せるっていう部分ですね。
今までは競技だったので、「よく見せる」じゃなくて、「悪く見せない」っていうのを僕は結構やってきたんです。
苦手な部分をいかに隠すか。
極論な話で、手を上げないっていうのが一番、悪く見せない方法だったりするんです。
上げるとダサさがばれるけど、上げなければなんか悪く見えない、とか。
そういう、悪く見えない方法で競技をやってきたんですけど、今は「悪く見せない」から「よく見せる」に変わった。
それが大きな変化かなと思います。
その変化は、誰かのアドバイスがきっかけだったのか、誰かを見ていて気づいたのか、どんな形ですか。
宇野昌磨:誰に向けてやるか、ですね。
点数をもらうのか、お客さんに楽しんでもらうのか。
その目標が違うだけかなと思っていて。
お客さんに楽しんでもらうのに、「悪く見せない」っていう見せ方よりも、なるべくよく見せたいというか、楽しんでもらいたいって思いでやると、自分の感情とか、「どんどんいいものを見せたい」っていう気持ちが出てくるので、やっぱり悪いところを見せないよりも、どんどんいいところを伸ばそうと思うし、悪いところもよく見せられるようにしたいと思う。
その面では、いろんな人の動きを見て、一つ一つ研究するようになったし、すごい面白いなとは思います。
本当にジャンプより情報量が膨大なので、全部を一個一個の動きで直すのって難しいですけど、今まで培ってきた競技の経験を生かして、自分が成長する道を考えるっていうのは、結構人より得意だと思うので、そういったものを日々考えています。
アプローチの仕方が、試合に向かっていく時よりも、すごくポジティブシンキングになってる印象はあります。
宇野昌磨:そうです。
実際、ベースはやっぱり試合の時はネガティブスタートで、それをポジティブに返しただけなんです。
競技では「将来世界一になればいい」っていう気持ちだったから、今は失敗しても、その成長につながればいい。
ポジティブに考えてるように見えますけど、スタートはそもそもネガティブというか、「試合で失敗したくない」っていうベースから始まってるんです。
でもアイスショーだと、「本番で失敗したくない」じゃなくて、「本番で少しでも楽しんでもらいたい」っていう、そういうポジティブスタートが違うかなと思います。
やっぱり一番、人に見せる時間が長いのは表現力だったり、表情だったりなんです。
表情とかも競技の時は全くやってこなかったですけど、お客さんの目を見るとか、お客さんに向けて自分の気持ちを顔で表すっていうのも結構大事かなとは僕は思ってるので。
本当に細かいスケートの技術ってすごいんですけど、僕はショーにおいては二の次でいいかなと思っていて。
やっぱり一番、お客さんが目に見えて「すごい」って思うものとか、「楽しい」って思うものを磨くべきだなって。
僕はやっぱり効率的にやるっていうのが一番大事で。
例えば基礎練って偉いじゃないですか。
地味な毎日の積み重ねってすごく偉いし、大事なのは分かるんですけど、その偉さってなかなか伝わらないし、それが本当に実を結ぶ瞬間って、何十年先って話になってくるので。
競技の時もそうでしたけど、基礎は必要だったらやるし、でも一番効率的にゴールに向かって必要なものを、効率的にはやるけど、すっ飛ばさないようにしようとは思ってました。
やっぱり人が見るものなので、印象とかイメージとかって大事で。
例えば僕の身長が低いとか、僕の表情管理が元々あまりできないとか、結構ネガティブな要素って、すごく簡単にポジティブなイメージに変えやすいと思うんですよ。
他の人がもともと5やってた部分を7にするより、僕が0やってた部分を5にするだけで、僕の方がすごい成長してるように見えるとか。
そういうギャップで、苦手な部分って見せ方を変えれば逆に武器になる瞬間もあったりするんじゃないかなとは思います。
そういうゼロからスタートっていう意味では、アイスダンスも本当にゼロからのスタートの中でやっていて、今ものすごく上手になってるっていう印象なんですけれど、これは今どれぐらいの技術力に来てる感じですか。
宇野昌磨:いや、上はもうすごいですね。
もう全然、さっき言った基礎練の極地みたいな人たちしかいないので。
僕は結構、速攻が効きそうっていうのがやっぱりない中でどうするかっていう部分を今までやってきたので。
でも、僕がこれからもやることは変わらなくて、一度フィギュアスケートっていう競技で世界のトップに立てたっていうことは間違いなく、日々の自分の積み重ね方っていうのが間違いではなかっただろうし、人よりもなんなら傑出してた部分だと思うので。
そういったものを生かしながら、ゼロからでも、1からでも、どこからだったとしても、自分が必要だと思う練習を、効率よく、すっ飛ばさずにアイスダンスも続けて練習していってるので。
数か月前の自分を振り返ると、やっぱりシングルの時って日々の成長って、なかなかジャンプでしか感じられなかったんですけど、アイスダンスって本当にゼロからのスタートだったから、すごい成長を日々感じるし。
やった分だけうまくなるし、少しずつではありますけれども、自信にもつながっていってる。
和の時からそうですけど、自分たちの強みっていうのは気持ちの強さ、熱量の大きさだと思うので、みんなが想像してるアイスダンス、僕たちがやるシングルスケーター二人のアイスダンスっていうところから、僕たち二人が目指してるアイスダンスっていうのはもっと目標が高かったからこそ、驚きを与えられたと思いますし、今もみんなが想像してるものよりクオリティが高いものを目指して練習してるので、日に日にそのアイスダンスっていう部分にも自信がついてます。
自信とか、「これを見せたい」っていうものがあると、自分たちがやる前から見せることにワクワクした気持ちになるし、練習もしなきゃじゃなくて、したくなるし。
皆さんの前にも「やばい、本番が来ちゃう」じゃなくて、「早く見せたい」って気持ちになると、すごくいい形なのかなと。
ここは競技をシングルでやってる時もそうだったので、それが自分の長所でもあるので、すごい楽しみです。
多分、皆さんが想像してる以上に、量も思いも強く練習してるので、結構いいものが見せられるだろうなって。
ワンツーを経て、ワンツーの時よりも、その時点ですでに高いクオリティでやってるので、見せるのが今の時点で楽しみだなって思えてるのは、すごくいいことになってます。
アイスショーの演出家っていう立場から考えると、どんな演出をしていきたいなっていうアイデアはありますか。今、第3弾になってきた中で。
宇野昌磨:やっぱり、その場で楽しんでほしいし、演者も見てる人も感動してほしいなって。
感動できるような演出を、僕はできたらいいなって思ってます。
見てる人だけが感動するっていうよりも、やっぱりやってる人が感動するっていうのがすごく大事だと思ってて。
それは見てる人を感動させるためにじゃなくて、やっぱりやっている人たちが感動しないことには絶対に伝わらないし、やってる人たちが感動してる姿を見るのが、僕はすごくいいなって。
涙を流す瞬間って、割と嘘じゃないことが多いじゃないですか。
だから、僕は流さないんですけど、みんなの日々の練習する姿とか、それを見に来てくれた人たちの表情とかを見て、「作って良かったな」って。
やっぱり競技とかネットだけだと、あんまり皆さんの顔を見ることってそこまで多くないんです。
競技中は特にないし、お会いするとしても競技が終わって一息ついた後に「すごい良かったです」「感動しました」って言ってもらう形だから。
でも、タイムリーにみんながどんな顔して、どんな気持ちで僕たちを見てるのかを見るのって大事だなって、今回Ice Braveを通してすごい思ったなって思います。
総括で、この「Turning Season」、どんなアイスショーにしたいですか。
宇野昌磨:このタイトルである通り、「Turning Season」という名前にさせていただいてるからには、このショーを見たことによって、見た後に「あのショーからもう大きく変わったよね」って、道が変わるほど成長したとか、すごく役者としても変わったよねって思っていただけるようにするので。
そういった意味を込めて「Turning Season」という名前をつけさせていただいていて、せっかくのそのターニングポイントだと思うので、見ておいた方がいいかなって僕的には思います。
皆さんの力とか、スタッフとか、本当に関わってくれた全員の力で、こういうふうに半年も明かずに第3弾っていうのが決定できたと思うので、本当に僕自身も楽しみだなと思います。
やっぱり体を休めたいけど、何か成長したいので、ゲームを成長するべく毎日練習してます。
どのゲームの中でも勝負ごとだと思ってやってるし、その世界で少しでも高いところに行こうって、やるからにはちやほやされるぐらいやり込もうぐらいに思ってます。
まとめ
このインタビューでは、宇野昌磨さんがIce Braveを通じてどのように変化しているのかが、非常に率直に語られています。競技時代は「悪く見せない」ことを意識していたという宇野さんが、今は観客に向けて「よく見せる」ことを考えるようになったという言葉は、とても印象的です。
また、アイスダンスについては、ゼロからのスタートだからこそ日々の成長を感じられ、自信にもつながっていると語りました。「皆さんが想像している以上に、量も思いも強く練習している」という言葉からは、ショーの中で見せるアイスダンスへの期待感が高まります。
第3弾となるIce Brave「Turning Season」は、タイトル通り、出演者にとっても観客にとっても一つの転機となるショーを目指しているようです。宇野さんがプロデューサーとして、演者として、そして新たな挑戦者として何を見せてくれるのか、注目したいインタビューでした。

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