織田信成&町田樹

ソチ五輪代表を目指す織田信成と町田樹を特集した動画です。


今週開幕する全日本フィギュア。ソチ行きの3枚の切符をかけ、正念場の町田 樹選手(23)と織田信成選手(26)、リンクの外では対照的な2人の、貴重なプライベート空間を取材した。
今シーズン花開いた才能、初めてのオリンピックへ、全身全霊で挑む町田選手。
4年前のオリンピックで味わった後悔、今回は、家族とともに挑む織田選手。

町田選手は「まだまだ、自分は崖っぷち。1歩でも後ろに下がったら、次はないと思っています」と話した。
織田選手は「常に、『12月 = 全日本』なんで。クリスマスツリーとか見ると、『なんか、この時期くるねんなぁ』っていう」と話した。
グランプリシリーズ開幕戦、町田選手は、思い描いていた理想の演技を体現した。
自己ベストを大きく更新、その後のロシア大会でも連勝し、一躍、代表候補に躍り出た。
そして、もう1つ、町田選手を有名にしたものといえば、独特の言い回し。
町田選手は、これまでにも「ソチ五輪に行けるか行けないかじゃなくて、ソチ五輪に行こうとするかしないか」、「僕を苦しめたり、縛りつける、なんか呪いの数字のようになってしまうような感じがして」と話すなど、ついた名前は「哲学王子」。
このように呼ばれることに、町田選手は「ちょっと自分には、もったいないフレーズだなとは思うんですけど。でも、おかげさまで、このシーズン、少しは知名度が上がったと思うし、そういう意味では、よかったんじゃないかなとは思いますね」と話した。
練習リンクのすぐそばで、1人暮らしをしている町田選手。
その自宅に行ってみると、そこには、スケートと勉強以外のものはなく、実にシンプルな生活ぶりだった。
町田選手は「何のために自分が頑張るんだっていうことを、毎回、毎回明確にするというか、繰り返し繰り返し、自分の中に、その強い気持ちを植えつけるということを心がけていますね」、「居住スペースというよりかは、勉強とスケートのためのオフィスを借りたみたいな感じの意識なので。まさに『オフィス・樹』ですね、ここは」と話した。
強い信念と情熱的な演技で、自らの道を切り開く。
己の全てをかけ、全日本フィギュアに挑む。
町田選手は「『人事を尽くして天命を待つ』じゃないけど、しっかり自分がやることをやって、準備をしっかりして、全日本に臨めば、あとは、スケートの神様が決めてくださると思います」と話した。

一方、織田選手の自宅からは、かわいい声が聞こえてきた。
織田選手は、バンクーバーオリンピックののちに結婚。
今では、長男・信太郎君(3)と次男・信乃介君(11カ月)の2児のパパとなり、家に帰れば笑い声に包まれる。
織田選手は、初出場となった4年前のオリンピックで、あってはならないミス。
靴のひもが切れてしまい、演技を中断した。
結果も振るわず7位と、大きな悔いだけが残る夢舞台となった。
織田選手は「自分で自分を責めてしまって、なかなか練習にも身が入らずの状態だったんですけど。本当に前向きにとらえて、やるしかないんだなというふうに、今は思っているので」と話した。
前を向いて進み始めた織田選手には、背中を押してくれる家族の存在がある。
妻の茉由(まゆ)さんは、食事面で支えようと、育児で忙しい中、アスリートの食事学を学び、資格を取得した。
茉由さんは「疲れているときに、何がいるかとか、やっぱり鉄分多めに、スポーツ選手は取らないといけない。ちょっとでもプラスになること。資格取れたらなぁと」と話した。
織田選手は「(けがしているときは)やっぱり食べる物も大切だと話をしてて、じゃあ取りに行こうかな、みたいな感じだったので。だから取ってくれたら、百人力じゃないけど、早くけがが治るかなと思って、すごくうれしかったです」と話した。
ソチオリンピックへの切符は、愛する家族へのクリスマスプレゼント。
織田選手が、家族とともにソチへの道を切り開く。
織田選手は「今まで頑張ってきてよかったなって、心から思えて、これでやっと帰って『クリスマスケーキを食べられるぞ』って、喜んで帰れるような全日本にしたいなと思います」と話した。

(2013年12月17日掲載 FNNニュース「町田 樹選手と織田信成選手、全日本フィギュアへの思い語る」より)

埼玉開催、第82回全日本フィギュアスケート選手権(2013年)の出場選手、日程、結果。女子シングルは鈴木明子が初優勝、男子シングルは羽生結弦が連覇。