
パイパー・ギレス&アッシャー・ヒルがフランスグランプリを本音レビュー|中井亜美・三浦佳生を絶賛
カナダCBCスポーツのYouTube番組「That Figure Skating Show」で、アイスダンスのパイパー・ギレスとアッシャー・ヒルが、グランプリシリーズ開幕戦フランスグランプリ(アンジェ)を振り返りました。五輪王者の採点への疑問や、ロシアのペアの選曲への皮肉など遠慮のない本音が飛び出す一方、中井亜美、三浦佳生、青木祐奈、坂本花織、島田麻央、中田璃士ら日本勢には温かい言葉が並びます。この記事では、2人の発言をできるだけそのまま日本語で紹介し、日本勢に関する部分を強調しています。
出典:CBC Sports
動画の主な内容
- 00:13 オープニング(パイパー・ギレスがレギュラー出演に)
- 01:15 アイスダンス:フルニエ・ボードリー/シゼロン組の「14点差」は妥当か?
- 03:26 アイスダンス:カレイラ/ポノマレンコ組、デイヴィス/スモルキン組は過小評価
- 06:11 🇯🇵 女子:中井亜美、SPの3Aミスから『パリのアメリカ人』で逆転優勝
- 07:01 女子:ララ・ナキ・グットマン『北極組曲』、ガブリエル・デールマン
- 09:29 男子:アダム・シャオ・イム・ファ、ほぼノーミスで優勝
- 10:53 🇯🇵 男子:三浦佳生、SP9位から『ジキルとハイド』で2位
- 12:26 男子:ソ・ミンギュ、シニア1年目で表彰台
- 13:03 ペア:ボイコワ/コズロフスキー組、メテルキナ/ベルラワ組への評価
- 16:56 新コーナー「キス、クライ&グッバイ」(🇯🇵 青木祐奈への“クライ”)
- 20:39 🇯🇵 坂本花織の心臓手術告白について
- 22:01 スケートカナダ優勝予想(🇯🇵 島田麻央・中田璃士)
要点まとめ
女子は2人とも中井亜美の優勝を予想して的中。SPのトリプルアクセルのミスから『パリのアメリカ人』で逆転した演技について、パイパーは「プログラムを完全に自分のものにしていた」と称え、五輪メダル後の自信と大人のエレガンスを感じたと話しています。
男子では、SP9位から2位に入った三浦佳生の『ジキルとハイド』(シェイ=リーン・ボーン振付)を「舞台劇を観ているようだった」と絶賛。アッシャーは構成点が低すぎると指摘し、パイパーも「あのダークでミステリアスな空気を出せる選手は少ない」と、今後の伸びに期待を寄せました。
一方で、フルニエ・ボードリー/シゼロン組の14点差には「名前点では」と疑問を呈し、ロシアのボイコワ/コズロフスキー組の『ブラックパンサー』には文化の盗用だと痛烈な皮肉。メテルキナ/ベルラワ組のつなぎの薄さ、フランスグランプリのカメラワークまで、遠慮なく切り込んでいます。
後半では、SP首位から優勝を逃した青木祐奈への“クライ”、坂本花織の心臓手術告白への思い、そしてスケートカナダの優勝予想(2人とも島田麻央、アッシャーは男子に中田璃士)が語られています。
🇯🇵 日本勢へのコメント
オープニング
アッシャー・ヒル:ハロー、ボンジュール、サリュー、そしてビヤンヴニュ、スケートファンの皆さん。アッシャー・ヒルです。そして僕の美しい共同司会者、パイパー・“気合入れていきなさい”・ギレスです!
アッシャー・ヒル:パイパーが来てくれました。熱にうなされた夢じゃありませんよ、彼女はずっとレギュラーで出演します。この番組だけでなく、CBCテレビのプライムタイム番組にも出ているんですよね? 黄色いスーツ、ビッグバード風の衣装、すごく良かったです。
パイパー・ギレス:ありがとう。私、今は「テレビのバービー」期に入っているので(笑)。すごく楽しんでいます。
アッシャー・ヒル:でも本題に入りましょう。最初のグランプリ大会、アンジェで開催されたフランスグランプリが終わりました。なんという大会、シーズンの幕開けにふさわしい展開でしたね。2組のオリンピックチャンピオンが出場し、1組は良い結果を残し、もう1組はそうでもありませんでした。まずは良い結果を残した方から見ていきましょう。
アイスダンス:五輪王者の「14点差」は妥当か
パイパー・ギレス:まずはローランスとギヨームからですね。彼らは他のカップルに14点差をつけました。あの点差は少し出すぎだったと思いますか?それとも妥当だったと思いますか?
アッシャー・ヒル:まず率直に言うと……妥当だとは思いません。
パイパー・ギレス:ええ、同感です。
アッシャー・ヒル:リズムダンスから始めましょうか。彼らはフラメンコのプログラムを滑っていますが、僕は最初「えっ、また?」という感じでした。ローランスが“名前を呼んではいけないあの人”とフラメンコを滑って、いつもあのスカートを振り回しているのを何度も見てきましたから、最初はちょっと「微妙だな」と。でも始まってみると、前半は実際に良かった。後半は、デビュー戦ですからまだ仕上がっておらず、少し掴みかかるような動きやバランスを崩しかける場面があって、パソやフラメンコに求められるキレが足りていませんでした。
※“名前を呼んではいけないあの人”は、ローランスの元パートナー、ニコライ・ソーレンセンを指していると思われます。
パイパー・ギレス:完全に同感です。ローランスとギヨームが先に滑ったせいで、他のカップルはその影響で少し過小評価されたように感じました。フリーダンスはまた彼らの得意分野ですね。音楽とパフォーマンスに真摯に向き合っていて、コレオグラフィック・エレメンツやトランジション、リフトは本当に素晴らしいと思いました。
パイパー・ギレス:ただフィギュアスケーターとして言わせてもらうと、ずっと両足で滑っていることは、スケーティングスキルやコンポーネントスコアに反映されるべきです。片足で滑る方が両足よりはるかに難しいのですから。それに彼は前のパートナーともそういう滑りを多くしていたので、やり方を変えてスキル面でも成長してくれることを期待していたのですが……
アッシャー・ヒル:このフリーを最初に見たとき、マックス・リヒターとダイナ・ワシントンのあの曲が大好きなので、ただ「ワオ」と思いました。動き方やコネクションに涙が出そうでした。コレオ・シークエンスで彼が抱きとめた瞬間に彼女がぐったりと脱力する場面は息をのみました。でも見直してみると、両足でのスケーティングが非常に多いことに気づくんです。
アッシャー・ヒル:リズムダンスに戻ると、アメリカのカレイラ/ポノマレンコ組の方が良かったと思いました。チャレンジャーシリーズで滑り込みを重ねていましたし、特にローランスのツイズルのミスを考えれば、RD終了時点では彼らが1位に立っているべきだったと思います。
パイパー・ギレス:同感です。オリンピックの金メダリストだと分かっている選手には、それに値する滑りをしていなくても点数を高く出しがちなんです。残念なことですが、何度も繰り返されていることです。
パイパー・ギレス:改めて、ポノマレンコとカレイラには心から賛辞を送りたいです。彼らのリズムダンスは極上で、エレガントで、私がゴールデンワルツに求めていたものがすべて詰まっていました。それにポノマレンコのご両親こそがゴールデンワルツを生み出した張本人なんですよね。このプログラムが進化していくのが楽しみです。彼らはアメリカの2番手のような位置にいますから、ジンガス/コレスニク組に挑めるか。ただあちらは怪我をしていたので、誰がトップの座をつかむか注目です。
※ゴールデンワルツは、アンソニーの両親であるマリナ・クリモワ/セルゲイ・ポノマレンコ組が考案したパターンダンスです。ジンガス/コレスニクは1組のカップルです。
アッシャー・ヒル:でもジョージアのデイヴィス/スモルキン組。彼は僕にとって一番お気に入りの男性アイスダンサーになりつつあります。本当に上手で力強い。彼らも少し過小評価されていたと思います。特にフリーダンスは非の打ち所がなく、エッジの質、ターン、エレメンツがどれも本当にクリーンでした。昨シーズンと同じく赤い衣装が大好きですね(笑)。演技構成点は9.25点や9点台でも妥当だと思います。
パイパー・ギレス:私は、彼らが個人的なストーリーを持ち込んでいる点が素晴らしいと思います。ダイアナが、音が聞こえない状態でありながら感情を表現し切るという姿を描いている。自分をさらけ出した彼女に拍手を送りたいですし、それがスケーティングにも表れてきています。
女子:中井亜美が逆転優勝
パイパー・ギレス:それでは「ゴールデン・ピック(優勝予想)」の振り返りです。女子は2人とも的中させました。ハイタッチ!
パイパー・ギレス:中井亜美について話したいです。彼女は私たちの本命でしたよね? ショートプログラムではトリプルアクセルの踏み切りがかなり不安定で、非常に苦しいスタートでした。彼女自身も予想していなかったと思いますし、私たち全員がショックを受けました。
パイパー・ギレス:でも、『パリのアメリカ人』のフリーで見せた巻き返しは見事でした。彼女のエレガンスが開花していく姿を見られて嬉しかった。2、3年前の彼女はまだ幼く、遊び心があってエネルギッシュでしたが、今は大人の女性へと成長し始めていて、オリンピックのメダルを獲った後の自信が見て取れます。完全にプログラムを自分のものにしていましたし、彼女にぴったりの作品です。シーズンを通してどう成長していくか楽しみでなりません。表彰台の一番上を狙いに行くでしょうね。
アッシャー・ヒル:フリーのトリプルアクセルも少しヒヤリとしましたが、素晴らしいプログラムでした。『パリのアメリカ人』の世界観を保ち、彼女の若々しさを残しつつ、より高いところへ引き上げている。本当に見事な選択でしたね。
女子:ララ・ナキ・グットマン、ガブリエル・デールマン
アッシャー・ヒル:素晴らしいプログラムといえば、イタリアのララ・ナキ・グットマン。SPはトリプルルッツで転倒して5位でしたが、フリーの『北極組曲(Arctic Suite)』は圧巻でした。トリプルフリップが2回転になるミスはありましたが、振付、ストーリーテリング、そして気候変動や極地の氷の融解というシリアスなテーマ……
パイパー・ギレス:冷気を感じるようでしたね。
アッシャー・ヒル:シリアスなテーマなのに、氷の上で足を取られるような独特のユニークさもありました。それにコレオスピン。上手く使いこなせている選手は少ないと思いますが、彼女はサーシャ・コーエンで有名になったものを含む、2種類のスクラッチスピンというシンプルな構成にしました。でも効果は抜群。スケートを知らない人でも、高速スピンを見れば即座に「すごい!」ってなりますから。
パイパー・ギレス:年を追うごとに彼女のパーソナリティが選曲に表れているのが大好きです。彼女が選曲を発表すると「本当に?それを選ぶの?」って思うことが多いんですが、初めて見てみると「私、これ好き。完全にハマった」ってなっちゃうんです。次は何をやってくれるんだろう?と思わせる。私とポールにも通じるものがありますね。それに彼女は私と同じ“サイコ・クイーン”ですし……
※画面ではギレス/ポワリエ組の2014年フリーダンスと、グットマンの2023年フリーが包丁のイラスト付きで並べて紹介されています。
アッシャー・ヒル:今大会唯一のカナダ勢、ガブリエル・デールマンにも触れておきましょう。満足のいく結果ではありませんでしたが、約4年ぶりのGP復帰だった昨シーズンよりは良くなっています。今週末は武器の3回転トウループ+3回転トウループにも見放されてしまいましたが、1月のカナダ選手権で国内タイトルを狙うでしょう。
男子:アダム・シャオ・イム・ファが優勝
アッシャー・ヒル:見放されたといえば、僕たちもある人を失望させてしまいました。
パイパー・ギレス:あるフランス人男性ね。
アッシャー・ヒル:アダム・シャオ・イム・ファ、ゴールデン・ピックで君を選びませんでしたが、選ぶべきでした。ほぼクリーンと言っていい2つのプログラム。フリーで1つミスはありましたが、アダムが2本をほぼノーミスで揃えるなんて、スケート界にとって宝物ですよ。
パイパー・ギレス:「この状態を4年間保存して!」ってテロップを入れたいくらい。昨シーズン、特にオリンピックに向けては表彰台候補だったのに、プレッシャーなのか、自分を売り込み切れていないように感じていました。でも今回のショートは始まった瞬間から「これよ!」と。ジャッジやファンへの目線、完全に作品の世界に入り込んでいて、膝が柔らかくエネルギッシュ。以前この曲を滑ったパトリック・チャンを思い起こさせる、スムーズな“クールガイ”のエネルギーがあります。
アッシャー・ヒル:演技開始の、あのゆっくりしたターンから滑り出す感じ。「今日の練習はハードだったから5分休憩するわ」って言っているみたいな。
パイパー・ギレス:テイク・ファイブね、今のうまい!
男子:三浦佳生、SP9位から2位へ
アッシャー・ヒル:気負いがなくて最高にクール。このショート、本当に大好きです。でも次は、ショート9位から銀メダルまで捲り上がってきた男、日本の三浦佳生について話しましょう! ショートは大惨事でした。スピンがノーカウントになり、シットスピンはレベルが取れず、コンビネーションで転倒し、3つのジャンプ要素すべてが散々。すべてがうまくいきませんでした。
パイパー・ギレス:これ以上何が悪くなるの?ってくらいね。
アッシャー・ヒル:そしてフリーもクリーンではありませんでしたが、いやあ、実に力強かった! シェイ=リーン・ボーン振付の『ジキルとハイド』。まるでマービッシュ劇場で舞台劇を観ているような気分でした。まさに完璧でした。僕としては、コンポジションやプレゼンテーションの評価が少し低すぎるように感じたのですが、どう思いますか?
※マービッシュ劇場はトロントにある劇場です。
パイパー・ギレス:彼にとってまったく新しいスタイルに感じられました。やりすぎでも控えめすぎでもなく、しっかり物語を伝え切っていて、もっと見たいと思わせるものでした。滑り込みを重ねてクリーンな演技が増えれば、コンポーネントスコアがどんどん上がって、ライバルたちを脅かすでしょう。あのダークで、飢えたような、ミステリアスな空気を出せるスケーターはそう多くありません。完全に引き込まれて、「あなたの世界を信じるわ」ってなりました。
アッシャー・ヒル:1人の人間の中にある2つの人格を演じ分けなければならないのに、彼は完全になりきっていました。メイクも施して、まさにジキル博士とハイド氏そのもの。素晴らしい作品になると思いますし、ショートとフリーを揃えられるようになったら、みんな要注意ですよ。
男子:ソ・ミンギュ
パイパー・ギレス:ソ・ミンギュにも触れましょう。シニア1年目で表彰台なんて、ただただ驚き。
アッシャー・ヒル:大砲から発射されたような滑りですからね。お尻にV12エンジンでも積んでいるのか、スペースXのロケットみたい。もっともスペースXと違って、毎回爆発したりはしませんけど(笑)。スマホの小さな画面で見ていても猛スピードで疾走しているのが伝わってきます。次のGPが待ち切れません。
パイパー・ギレス:そのエネルギーを錠剤にしてほしいわ。
ペア:ボイコワ/コズロフスキー組とメテルキナ/ベルラワ組
パイパー・ギレス:もう一つのゴールデン・ピックに戻りましょう。私、予想を取り消したいんです。心の奥底ではこうなる予感がしていたのに、認めたくなかった。ボイコワ/コズロフスキー組は圧巻でした。かなり過小評価されていたと思います。トランジション、リフト、すべてのパッケージングが洗練されていました。感情的な繋がりは少し物足りなかったかもしれませんが、この2人を国際大会で見られなくて寂しかった。ずっと力を蓄えてきて、金メダルを獲る準備ができているように見えましたし、いずれ獲るでしょう。
アッシャー・ヒル:そして僕たちが優勝予想に選んだメテルキナ/ベルラワ組は、良い一日になりませんでした。彼女がスローで転倒するなんて滅多にないことです。でも彼らはもう違うステージにいる。華々しく登場して、オリンピックのメダルも獲った。だからこそ、もっと多くを求めてしまうんです。出だしはすごくクールで、昨季はヘッドスクリュー、今季は屠殺場に運ばれる子羊のように彼女の足を持って逆さ吊りにする。でも、そこだけ。その後はクロス、クロス、技、クロス、クロス、技、たまにポーズ。もっと複雑で繊細な滑りが見たい。
アッシャー・ヒル:ボイコワ/コズロフスキー組にも同じ不満は言えますが、少なくとも彼らはプログラム全体に面白い工夫を散りばめています。トランジションもクールで、リフトのポジションも素晴らしい。フリーでは4回転スローで転倒しましたが、両組ともミスがあったことを考えても、僕はボイコワ組をジョージア組より上に置いていたはずです。
アッシャー・ヒル:彼らのプログラムと選曲について話してもいいですか?
パイパー・ギレス:あらまあ(笑)。
アッシャー・ヒル:ショートの『ブラックパンサー』ですよ。目を細めて「彼女の髪、あれコーンロウ? うそでしょ、やめて」ってなりました。それからアフリカンなサウンドが鳴り響いて、ケンドリック・ラマーが流れてきて、「ああ……」って。
※“アインズリー”という呼び方も出てきますが、ここでは他文化を安易に取り入れることを揶揄する表現として使われています。
パイパー・ギレス:ロシア勢が戻ってきた、というか“アインズリーたち”が戻ってきたわ!
アッシャー・ヒル:アインズリーのお出ましです! 文化の盗用(アプロプリエーション)が大好きですからね。でもそれを除けばプログラム自体は好きでしたよ。まさか“アンジェラ・バセットコワ”を見ることになるとは思いませんでしたが(笑)。それにフリーの『カルメン』も、もうお蔵入りにしてほしい。スケーティングもプログラムも好きですが、音楽だけは好きになれません。
※アンジェラ・バセットは映画『ブラックパンサー』に出演した女優。ボイコワの名前と掛けた皮肉です。
パイパー・ギレス:私もこれだけは言いたかったの。ペアは色々なことができるはずなのに、コレオスピンが物足りなかった。上位2組はほとんど同じに見えました。ララがやったようなシンプルな工夫でもあれほど完璧に映るんですから! この新エレメントには少しガッカリしました。
アッシャー・ヒル:ジョージア組でさえ、コレオリフトに特別なものが感じられませんでした。トップにいるなら、特別なもの、違うものが見たい。今のルールでは難しいのは分かりますが、過去のアーカイブを漁ればいいんです。何か見つかるはずですよ。
アッシャー・ヒル:ドイツのホッケ/クンケル組にも賛辞を。銅メダルで、GPでのメダルは久しぶりです。彼女は黒の網タイツ風衣装が大好きですが、今年の魅せ方は良かったと思います。
キス、クライ&グッバイ
アッシャー・ヒル:新コーナー「キス、クライ&グッバイ」です。「キス」は「最高だった、結婚したいくらい好き」。「クライ」は解釈自由で、嬉し涙か絶望の涙か。そして「グッバイ」は、マイナスGOE、無効要素、「もうあっちへ行って!」です。
パイパー・ギレス:私の「キス」はボイコワ/コズロフスキー組。ペアリフトは圧巻で、トランジションも私にとってはシェフズ・キスです。
パイパー・ギレス:私の「クライ」は、ユナ(青木祐奈)が表彰台の一番上に残れなかったこと。彼女のことが本当に大好きで、とても美しいスケーターだと思います。これまで一番上に立ったことはなかったと思うので、本当にそこにいてほしかったんです。
※青木祐奈はSPで76.31点(自己ベスト)の首位に立っていました。
アッシャー・ヒル:彼女になら、文字通り僕の手の上をスケートで滑られても「ありがとうございます」って言っちゃいますよ。
パイパー・ギレス:「ありがとう、ご利益をいただきました」ってね(笑)。
パイパー・ギレス:私の「グッバイ」は、大荒れの男子。本当にもうウンザリ。オリンピックでも見ましたし、二度と見たくありません。シャイドロフがあまり良い試合をできなかったのも少し残念でした。高望みなのは分かっていますが、あえて宣言しておきます。
アッシャー・ヒル:パイパー、夢は時々叶うものですよ。たぶんね(笑)。
アッシャー・ヒル:僕の「キス」はエストニアのアレクサンドル・セレフコ。『ダーティ・ダイアナ』のショート。うわあ! 何だあれは! 昨年のプリンスが彼のハマり役だと思っていましたが、違いました。これこそ彼のプログラムです。トリプルアクセルからそのままバックベンドへ抜ける流れ、ステップのボディウェーブ。ちょっとドキドキしちゃって、3回も見返しました。
アッシャー・ヒル:僕の「クライ」は、ララ・ナキ・グットマンのプログラム。カロリーナ・コストナーとローリー・ニコルの振付です。伝えたいメッセージがある。「スポーツに政治を持ち込むな」とよく言われますが、国を代表するアスリートには常に政治の色がつきまといます。ジャッジングを見れば分かるでしょう。だからこそ「地球を破壊している私たちは、故郷を救うために何ができるのか?」というメッセージは痛切に響きます。
アッシャー・ヒル:そして僕の「グッバイ」はカメラワーク! フランスグランプリのカメラワーク、あれは何なんだ! 演技を見ていると、突然白いスワイプが入って観客や足首のアップに切り替わる。プログラムを感じたいのに、引き込まれたまさにその瞬間に空撮になるんですから。広告看板を4Kで見せられてもね。いつもフランスグランプリなんですよ。
パイパー・ギレス:どうしてそこで試すんでしょうね? 「やめて」って感じ。その意見には完全に同感よ。
坂本花織の心臓手術告白
パイパー・ギレス:でも、もう一つ「グッバイ」がありました。
アッシャー・ヒル:坂本花織ですね。お別れなんて言いたくありませんでしたが、彼女はオリンピック後にその輝かしい競技人生に幕を下ろしました。そして2018年シーズン中に心臓の手術を受けていたことを明かしてくれました。
※画面に表示された共同通信の見出しでは「2017年の心臓手術」となっています。
パイパー・ギレス:本当に衝撃的でしたし、それでもあれほどの成功を収めていたなんて。私自身もあの状況に少し自分を重ねてしまいます。でも彼女は私とは反対に、話を公にせず、身近な人たちだけに留める道を選びました。その選択を心から尊重します。「復帰できるのか? 以前のように強くいられるのか?」と噂される恐怖は確実にありますから。
パイパー・ギレス:でも、勇気を出して打ち明けてくれたことを本当に嬉しく思います。他のアスリートたちにも、自分の物語を語る勇気を与えるはずです。ファンは、不安な時こそ応援したいと願っているのですから。
アッシャー・ヒル:一人で抱え込むことは、後で打ち明けるときにまた違う重圧になります。誰がどんな困難を抱えて、毎日リンクに通って戦っているのかは外からは分かりません。花織を愛する理由がまた一つ増えましたね。これ以上必要ないくらい大好きなのに。
スケートカナダ優勝予想
パイパー・ギレス:ゴールデン・ピックは2人とも2戦2勝。次はスケートカナダです。私の予想から。男子はスティーブン・ゴゴレフ、“ミスター・ゴグス”。怪我に苦しんできましたが、みんなを驚かせると思います。ペアはカナダの愛されコンビ、リア・ペレイラ/トレント・ミショー組。安定感はアスリートにとって金の価値があります。
パイパー・ギレス:女子は島田麻央。シニアのGPは初登場ですが、多くの人にとって新顔ではありません。世界ジュニアで3連覇、前代未聞ですよね?
アッシャー・ヒル:4回だと思いますよ。
パイパー・ギレス:4回? まさに女王ね。小さな女王様ですが、女子シングル界に衝撃を与えるはずです。本当に楽しみ。
※島田麻央は2026年3月の世界ジュニア選手権で4連覇を達成しています。
パイパー・ギレス:アイスダンスは、驚きはないですがイギリスのライラ・フィアー/ルイス・ギブソン組。私の元ライバルです。
アッシャー・ヒル:いくつか被っていますね。でも僕は、君が予想しなかったところを攻めました。
アッシャー・ヒル:男子は中田璃士。ジュニアでの彼は驚異的でした。ここ数年のスケート界は予想外が当たり前ですし、彼には表彰台の頂点に立つだけの実力があると思います。頑張れ璃士!
アッシャー・ヒル:ペアはリアとトレント。先週のペア上位陣には、彼らが今年見せてくれるような感情やコネクションがありませんでした。サンバのショートも、ゴージャスなフリーも素晴らしい。
アッシャー・ヒル:女子は浅田真央にちなんで名付けられた島田麻央。世界に同時に2人の「マオ」が存在していいのか、世界が揺らぐんじゃないかとも思いますが(笑)、彼女はその名に恥じない選手です。
パイパー・ギレス:世代が違いますから(笑)。
アッシャー・ヒル:世代は違いますが、驚異的です。シニアの女子選手たちを迎え撃つ準備はできていますし、“アインズリー”たちだろうが誰だろうが、まとめて倒してくれますよ。
アッシャー・ヒル:アイスダンスはマイケル・パーソンズ/キャロライン・グリーン組。これは願望ですね。いつも見過ごされがちですが、独創的なプログラムで、何でもこなせる。そろそろ1位として認められるべきです。
パイパー・ギレス:私も彼らの取り組みは本当に尊敬していますが、毎年安定感に苦しんでいて、GP前の試合でも荒れていました。でも大ファンです。
アッシャー・ヒル:パイパーは信じていないみたいだけど、僕は信じてるよ、マイケル、キャロライン!
アッシャー・ヒル:今週はブリティッシュコロンビア州ケロウナでスケートカナダが開幕。CBC Gemで金曜東部時間午後9時から配信、土曜はCBCテレビで東部時間午後4時から、プライムタイムにはパイパーも出演します。日曜は東部時間午後4時からです。
まとめ
現役トップスケーターだったパイパー・ギレスと、元アイスダンサーのアッシャー・ヒルによる、採点の裏側まで踏み込んだ本音トークは、海外の目線を知るうえでとても興味深い内容です。遠慮のない部分も含めて、2人の個人的な見解として楽しんでください。
日本勢には総じて好意的で、特に中井亜美と三浦佳生のフリーは「シーズンを通して伸びていくプログラム」として高く評価されています。坂本花織の告白に、自らも病気を経験したパイパーが言葉を重ねる場面も印象的です。
次回はスケートカナダ。2人がそろって推す島田麻央、アッシャーが予想した中田璃士がGPデビュー戦でどんな滑りを見せるのか、番組での振り返りとあわせて注目です。







“パイパー・ギレス&アッシャー・ヒルがフランスグランプリ2026を本音レビュー|中井亜美・三浦佳生を絶賛 (2026/10/27)” への1件のコメント
CBCのは前はアッシャーさんとペアの男性と組んでいたと思いますが
パイパーちゃん❤️管理人さまナイスです。
全部は見れてませんが確かにアイスダンスのフルシゼは昨季のような衝撃はなかったです。
難しいことはわからずで、あれ?終わったという感じで…
カレポノも良かった、デビスモのリズムダンスはめちゃくちゃ良くてスモルキン氏は本当に上手いなあ
ダイアナさんもすごい身体能力で素晴らしい
ペアは私もボイコズが良かった、メテベルのルカ君は正直すぎてキスクラでお手上げのジェスチャーだったですね。
またゆっくり見させてもらいます。
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