フランスGP女子FS会見 連覇の中井亜美「怖さを乗り越えて涙」、デモで長い一日も

グランプリシリーズ・フランス大会(アンジェ)の女子フリーを終え、表彰台の3選手による記者会見が行われました。合計219.74点で大会連覇を果たした中井亜美選手、202.82点で2位のアナスタシヤ・グバノワ選手(ジョージア)、202.37点で3位のララ・ナキ・グットマン選手(イタリア)が登壇し、連覇の喜びや、抗議デモの影響でホテルに戻れず一日中リンクで過ごした競技当日について語りました。

動画の主な内容

  • 00:04 中井選手へ アシュリー・ワグナー以来となる大会連覇について
  • 01:42 グバノワ選手へ ジョージア代表として手にしたメダルの意味
  • 02:56 グットマン選手へ フランス大会でメダルを獲得した3人目のイタリア選手に
  • 04:11 3選手へ 抗議デモでホテルに戻れなかった一日の影響
  • 08:41 中井選手へ 1年前に優勝した時からの変化
  • 10:41 中井選手へ 昨年と同じ149.08点だったフリーの得点
  • 11:52 中井選手へ 演技後の涙の理由
  • 13:12 司会から冬時間への切り替えと翌日の練習のお知らせ

要点まとめ

大会連覇を果たした中井亜美選手は「連覇も目標の一つだったんですけど、それ以上にすごく自分自身が求めている演技ができて」と喜びを語りました。1年前は「怖いもの無し」の挑戦者でしたが、今回は初めて「ここで絶対優勝したい」という気持ちが芽生え、そのプレッシャーに打ち勝てたことで「また強い自分になった」と振り返っています。

演技後の涙については「初めてこんなにも演技するのが怖いっていう風に思っていて」と明かし、その怖さを乗り越えられた喜びから涙が出たと説明しました。フリーの149.08点は昨年の同大会と全く同じ得点で、「違った内容で同じ点数を出せた」ことに驚きと嬉しさを語りました。

この日は抗議デモの影響で選手がホテルに戻れず、一日中リンクで過ごすことになりました。中井選手は「正直不安だらけ」だったとしつつ、最後は自分を信じて演技できたと話し、グバノワ選手は主催者が用意した休憩エリアでしっかり休めたことが結果的に良い方向に働いたと笑顔で語りました。グットマン選手も、小さな部屋に皆でいた「経験したことのない奇妙な状況」に笑いが止まらなかったと明かしています。

ジョージア代表として2位に入ったグバノワ選手は「このメダルが私にモチベーションと練習する力を取り戻してくれた」と話し、フリーで自己ベストを更新して3位に入ったグットマン選手は、かつて一緒に練習していたロベルタ・ロデギエーロ選手らに続く、フランス大会での3人目のイタリア人メダリストとなった喜びを語りました。

連覇と表彰台の喜び

00:04
質問

(司会)亜美選手に。アシュリー・ワグナー選手が2012年と2013年に達成して以来、女子として初めてこの大会を連覇しました。それ以来、誰も連続で優勝していません。どれくらい嬉しいですか?

中井亜美:そうですね。連覇できたのはすごく嬉しかったですし、連覇も目標の一つだったんですけど、それ以上にすごく自分自身が求めている演技ができて、その先にこうやって優勝を飾れて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。

01:42
質問

(司会)アナスタシア選手、昨日は祐奈選手と10年前のことを話していましたね。確認したところ、それはオストラヴァでのことで、あなたが優勝し、祐奈選手は4位でした。当時はロシア代表でしたが、今はジョージア代表です。今日、ジョージア代表としてこのメダルを獲得したことは、あなたにとって何を意味しますか?

グバノワ:(ロシア語で回答)今日のこの結果は、私にとって非常に大きな意味を持っています。このメダルが、私にモチベーションと練習する力を取り戻してくれたからです。そのことをとても幸せに思っています(笑)。

02:56
質問

(司会)ララ・ナキ選手、あなたはフランス大会でメダルを獲得した3人目のイタリア選手です。最初はカロリーナ・コストナー、次にロベルタ・ロデギエーロでした。このクラブに加わることができて、どれくらい嬉しいですか?

グットマン:(英語で回答)本当に嬉しいです。お二人ともとても親しくて、実はロベルタとは数年間一緒に練習していました。今日のフリーにはとても満足しています。ショートについては少し満足度が下がりますが、全体としては観客の皆さんの反応が本当に嬉しかったです。満足していますし、ここにいられて幸せです。

03:37
質問

(司会)そして、今日のフリーでは自己ベストも更新しましたね。

グットマン:本当に?(笑)

(司会が「確認しました。総合ではなくフリーで」と答えて)

グットマン:ええ、今日のフリーは本当に良い感触でした。振付の中の細かな瞬間をたくさん楽しむことができましたし、この素晴らしい感覚を今シーズン携えていけることは、私にとって本当に素晴らしいことです。

抗議デモでホテルに戻れなかった一日

04:11
質問

3人全員への質問です。長い一日になりました。抗議デモの影響で、3人とも一日中リンクで過ごすことになったと思います。氷に立つときの心境にどのような影響があったのか、一日中リンクにいることにどう対処したのか教えてください。

中井亜美:初めてこういうデモがあってホテルに帰れないという状況になったので、正直不安だらけで。もちろん自分自身の調子の不安もありましたし、それにプラスしてこうやって帰れないという不安があったんですけど、やるべきことはもう一つだけだったので、やるべきことはちゃんとできましたし、最後はしっかり自分自身を信じてあげたからこそ、こうやっていい演技ができたと思います。

06:20
グバノワ

グバノワ:(ロシア語で回答)はい、今日は抗議デモのせいで、とても長い一日になりました。競技への準備がいつものようには進まなかったからです。でも主催者の方々が休憩エリアを用意してくださって、みんなそこでしっかり休んで回復することができました。全体として、結果には良い形で表れたと思います(笑)。

07:09
グットマン

グットマン:(英語で回答)はい、本当に長い一日でした(笑)。ほとんど全員がこの小さな部屋にいたんです。実はちょっと面白くて、最初は笑いが止まりませんでした。これまで経験したことのない、一番奇妙な状況でしたから。

私たちにとって一番大切だったのは休むことでした。ホテルに戻って一人で休み、メイクやヘアセットをするといういつものルーティンはありませんでしたが、ベストを尽くして、みんなで一緒に少し休むことができたと思います。一日が長かった分、いつも以上に氷の上に立つのが待ちきれなかったです(笑)。

08:02
司会

(司会)記録のために申し添えると、2015年にもフランス大会では問題がありました。ボルドーでの開催中、ショートの夜にパリで襲撃事件が起き、翌日の大会は完全に中止になりました。ロベルタはその時ショートを終えて3位で、彼女が直近のイタリア人メダリストだったので名前を挙げました。

1年前の自分との違い

08:41
質問

亜美選手への質問です。1年前もここに来ていて、その後多くのことがありました。ここで優勝した1年前の亜美選手と、今日優勝した亜美選手を比べて、人としてどれほど変わったと思いますか?

中井亜美:去年は本当に挑戦という意味で怖いもの無しでしたし、ただぶつかりに行くという形だったんですけど、昨シーズンいろんなことを経験して、大舞台でいい演技をしてからは、今回初めて「ここで絶対優勝したい」とか、そういう勝ちたいという気持ちが芽生えてきて。そのプレッシャーに打ち勝てたというのはすごく大きなことだったと思いますし、それを乗り越えたから、また強い自分になったなという風に今日は思います。

10:41
質問

(司会)今日のフリーは自己ベストと同点でした。その自己ベストはどこで出したかというと、昨年のこの大会で、149.08点です。全く同じ得点を出すにあたって、昨年と今年では何が違いましたか?

中井亜美:点数を見た時に「あ、去年と同じだった」と思って、すごく嬉しかったですし、また違った内容で同じ点数を出せたというのもすごくびっくりしていますし、嬉しかったなという風に思います。

演技後の涙

11:52
質問

中井選手に質問です。素晴らしい演技を終えられた後に少し涙ぐんでいらっしゃいましたが、その時の気持ちをお聞かせください。

中井亜美:そうですね。初めてこんなにも演技するのが怖いと思っていて、でもこの怖さを乗り越えられた時、本当に最後のポーズをとった時に、喜びと、こんなにもいい演技ができた、乗り越えられたという嬉しさと共に涙が出てしまって。本当に初めてこんなに怖いという感情を抱いたので、それを乗り越えられたという意味で涙が出たんだと思います。

冬時間の「良い知らせ」

13:12
司会

(司会)皆さんに良い知らせがあります。冬時間に切り替わるので、1時間長く眠れますよ。悪い知らせは、明日の練習が9時40分からだということです(笑)。

中井亜美:早い(笑)。

(グットマン選手が「明日も抗議デモはあるの?」と尋ねると、司会は「今日だけでした。バスの運行も再開されたので、明日は穏やかな一日になるはずです」と答えました)

まとめ

「初めてこんなにも演技するのが怖い」と感じながらも、その怖さを乗り越えて連覇を果たした中井亜美選手。1年前の「怖いもの無し」の挑戦者から、勝ちたい気持ちとプレッシャーに向き合う選手へと変わったことが、率直な言葉から伝わってくる会見でした。

抗議デモの影響でホテルに戻れず、一日中リンクで過ごすという異例の一日について、3選手がそれぞれの受け止め方を語っているのも見どころです。不安を抱えながらも自分を信じた中井選手、休憩エリアでの休養を前向きに捉えたグバノワ選手、奇妙な状況に笑いが止まらなかったというグットマン選手と、三者三様の言葉が印象に残ります。

メダルがモチベーションを取り戻してくれたというグバノワ選手、自己ベストで表彰台に立ったグットマン選手を含め、それぞれにとって意味のある表彰台となりました。最後の冬時間をめぐる和やかなやり取りまで、ぜひ動画とあわせてチェックしてみてください。