セラフィマ・サハノヴィッチ　スケートアメリカ2016　ショート演技　(解説：ロシア語)

ジュニアの時の活躍が嘘みたいに悲しい結果です。
最初の3Fを失敗したら、次は3Lzをやめて、3S-3Tにしたら良いのになと思いました。
ジャンプの種類を変えるのは軌道が違うなどいろいろ大変だろうけど、得意なジャンプだろうし、事前に作戦を練ってほしいなと思います。
正直言って、ロシアでは今年結果を残さないと、もうGPSに出られるかわからない状況ですからね。
ただスピンは高速に回転できるようにすごく練習しているようで、良かったです。
軸が細くなるスピンで高速回転はできるけど、シットスピンなどでも高速で回れるのはかなり練習しているんでしょうね。
スケーティング力は非常に良いものを持っているのであとはジャンプなんですよね。
手堅くまとめて、行きたいけど、そうもできないロシアの激戦。
でも私はまず評価をジュニア時代まで戻してほしいので、ショートは手堅くまとめて、ある程度の評価を受けて、フリーに臨む形が良いと思うんですよね。
3Lzに咄嗟のタノ2Tも良いけど、やはり3-3を持ってこないと60点に届くのは厳しいですね。
フリーでは3F-Lo-3Fの珍しいジャンプコンビに注目したいけど、ショートでもっと評価を得てほしかった。

ジュニアの頃から、スケーティングは決して良いとは思わなかったので、この子はジャンプが跳べなくなったら終わりだなぁと思ってました。
ライストで見てたんだけど、この子の演技の時にやたらとガリガリ氷を削る音がしたのが気になりました。目先の得点稼ぎの為の見栄え重視の演技でも、誤魔化しきれないスケーティングの質。
まあ、ロシアはこの子かダメでも次から次へと選手は出てくる。使い捨ての選手の中の一人にしか過ぎなかったって事なんでしょうね。可哀想だけど。
ここから立て直すには、やっぱりスケーティングの基礎を見直さないといけないと思う。
フリーレッグを振り回さなくても伸びるスケーティングを習得して欲しいな。

ジュニアの頃、特に最後のジュニアシーズンは スケーティング自体はかなり良い方だったと思うのですが…さすがにこのメンバーに入ると 目立たなくなってしまいますね。
彼女は ジュニアワールドで2年連続準優勝という素晴らしい結果を残したのに、ロシアスケ連がシニアへの移行を思い留まらせたんですよね。その後 短期間に何度もコーチ変更 → そこへ体型変化が来てしまって、もともとジャンプに癖がある選手だったから うまく跳べなくなってしまい…どんどん歯車が狂ってしまった印象です。
同じ表彰台に乗った親友のメドベデワ選手は 体型変化が来る前にシニアへ行って そのまま破竹の勢いで幾つもタイトルを獲ったというのに、サハノヴィッチ選手は 無理矢理ジュニア残留させられた上に すっかり影をひそめてしまって、何だか不憫でなりません。
ジャンプの癖やらはあったにしても、層が厚すぎるロシア所属でなければ もうちょっと何とかなったんじゃないかと思うのですが…。
同じ元エテリチームで 体型変化にも苦しんだリプニツカヤ選手は（今回WDとなってしまいましたが）今季復活しそうな雰囲気を見せているので、サハノ選手も 何とかスランプを乗り越えて、もう一度ひと花咲かせて欲しいと思います。